東海税理士会所属 |
2021/09/03 9月22日(水)に開催される、今すぐ知りたい相続・事業承継セミナーに講師として参加いたします。 2021/06/23 「創業手帳」の原稿を監修しました 2019/02/07 相続税専門のページを作成いたしました。 |
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2023-2-14
一人残された高齢の親の在宅介護が難しくなり、介護施設の入所資金を捻出するため、自宅を売却することがあります。しかし、親が認知症になると売買契約を行うことが困難になります。そこで認知症になる前に自宅を売却する方法の一つとして、子供が自宅の贈与を受け、その後、自宅を売却して介護施設の入所資金を確保することも検討可能です。
認知症対策としての相続時精算課税贈与
自宅の贈与には相続時精算課税贈与を利用します。2,500万円まで控除され、残額に20%の定率課税となるため、贈与税を圧縮できます。将来、相続が起きた時は、あらためて相続税として課税され、先に納付した贈与税は受贈者の相続税額から控除して精算されます。さらに相続財産の価額が基礎控除額(3,000万円+相続人1人当たり600万円)の範囲に収まる場合には相続税は課税されず、先に納付した贈与税の全部または一部が還付されます。
相続時精算課税の留意点
受贈者が自宅を売却した場合の譲渡所得の計算では、贈与者である親の取得価額を引き継ぎますが、子の居住用不動産でなければ譲渡所得に3,000万円控除を受けることはできず、譲渡所得税の負担が大きくなるほか、翌年の国民健康保険料や介護保険料などが増加することにも留意します。
また、相続時精算課税は、一度選択したら暦年課税に戻ることはできませんので、毎年、贈与を受けるたびに、相続時精算課税贈与としての申告が必要となります。相続時に小規模宅地の特例の適用を受けることもできません。
親に対する贈与課税はあるか?
子供が親の介護施設の入居一時金や施設利用料を負担することが、子供から親への贈与課税となるか問題となります。この場合、扶養義務者間で生活に通常、必要な資金を贈与することは非課税とされますので親に介護施設の入所資金等を負担する資力がなく、介護のために負担する費用であれば非課税の扱いを受けることができるでしょう。反対に介護に必要な水準を超え、老後生活を楽しむための豪華な施設の入所資金を負担するような場合は、子供から親への贈与課税が生じる可能性がでてきますので注意を要します。そして、何より大切なことは、親が長年慣れ親しんだ自宅を売却し、子供に自身の生活を託すことへの信頼構築にあるのかもしれません。
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2023-2-9
退職後に勤務が継続か否かで変わってくる
個人の住民税は、その年1月1日居住の市町村から前年の所得を基に課税されます。納税は、給与所得者の場合、給与支払者により、6月から翌年5月までの給与から「特別徴収」され納税されます。
退職した場合、退職日が6月1日から12月31日までであるときは、退職の月までは「特別徴収」により給与から天引きされますが、その後は「普通徴収」に切り替わり、自身で市町村に納付することになります。ただし、次の勤務先で「特別徴収継続」の手続きをすれば翌月分以降は新たな勤務先から継続して特別徴収・納付となります。
では、退職日が1月1日以降の場合はどのような手続きになるのでしょうか?
特別徴収継続か一括徴収かの分岐点
(1)退職後も継続し勤務先がある場合
退職日が1月1日から4月30日までの場合で、退職後も次の勤務先(=給与支払者)があるときは、退職月の翌月10日までに「特別徴収継続」の手続きをすれば翌月分以降は新たな勤務先から継続して特別徴収・納付となります。
退職日が5月1日から5月31日までの場合は、5月分のみですので、通常通りの住民税額が最後の給与から徴収されます。
(2)勤務先がないか空白期間がある場合
退職後次の勤務先が決まっていなかったり、決まっていても次の給与までに空白期間があったりする場合は、退職する会社が5月分までを一括徴収し納付しなければならないこととなっています。
ただし、退職時点で支給される給与や退職金から一括徴収額を差し引きしても納付額が足りない場合は、その分の金額を普通徴収で納付することになります。
特別徴収継続の場合は速やかに手続きを!
いつの時点で退職するにせよ、「特別徴収継続」の手続きは、「給与所得者異動届出書」を提出することにより行われます。旧会社ではそれまで特別徴収して納付した金額の実績を記載し、新会社では今後の特別徴収と納付を行う旨の記載をします。この届出書は会社を通して提出することになりますので、新旧会社の給与計算担当者とよく相談して、書類の不備や理解不足による住民税延滞にならないよう注意が必要です。
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2023-2-8
紆余曲折のスマホアプリ納税開始
令和4年12月1日から「国税スマートフォン決済専用サイト」(スマホ専用)において、スマホアプリを利用した納税ができるようになりました。スマホアプリとは、いわゆる「〇〇Pay」と呼ばれる決済アプリです。現状利用可能なPay払いは、PayPay・d払い・au PAY・LINE Pay・メルペイ・Amazon Payの6種類です。
本来でしたら令和4年1月から導入される予定でしたが、コロナ禍の影響で、決済専門サイトを運営する事業者の選定が間に合わず、延期になっていました。紆余曲折ありましたが、何とか今年の確定申告期間に間に合わせたといったところでしょうか。
スマホアプリ納付のメリット
同様に国税の支払いができるクレジットカード納付については手数料がかかりますが、スマホアプリ納付の利用については、決済手数料がかかりません。
e-Tax経由で直接銀行口座から引き落としで納付する「ダイレクト納付」に比べると、必要な入力事項も簡易で、〇〇Payを普段使いしている方にとっては支払い手続きも簡単なものになっています。また、e-Taxの受信通知や「確定申告書等作成コーナー」で出力される2次元コードを使って決済サイトにアクセスすると、納付区分番号・納付先税務署・税金の種類・課税期間・納付税額がすでに入力された状態になるため、さらに簡単に納付ができます。
スマホアプリ納付のデメリット
スマホアプリ納付は1回の納付額上限が30万円であるため、それ以上の納付を行うためには複数回に分けて手続きを行う必要があります。
また、各種Pay払いには独自に支払い上限額が設定されていて、例えばPayPayだと過去24時間で最大50万円、過去30日間で200万円が支払い上限(残高使用時)、au PAYだと1日あたり50万円の支払い上限が設定されています。この支払い上限にかかってしまうと、Pay払い自体がしばらくできなくなってしまうことになり、納付どころか普段使いもできなくなってしまいますので注意が必要です。あまり大きな額の納付を扱うことは想定していない支払い方法なのでしょうか。
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2023-2-7
外国税額控除とは?
外国税額控除とは、日本国内に居住地を置く人が、外国の所得税に相当する税金を納付した場合、二重課税になるのを調整するために設けられた制度です。
日本では、所得が生じた場所が国内外問わず、所得税が課せられる仕組みです。しかし、所得を受け取った国が「源泉地課税」を採用している場合、その国でも税金を納める義務が発生して、二重に課税されることになります。この負担を調整するための制度です。
限度額が設定されている
外国所得税は、「所得税の控除限度額」を限度として、該当の年の所得税額から差し引くことになります。計算式は、該当年の所得税額×(該当年の国外所得総額÷該当年の所得総額)=所得税の控除限度額 となります。
外国税額控除額は、外国所得税の額が所得税の控除限度額に満たない場合はその外国所得税の額、控除限度額を超える場合は、次の①または②のいずれか少ない方の金額の合計となります。
①控除対象外国所得税の額から所得税の控除限度額を差し引いた残額
②復興特別所得税の控除限度額=その年分の復興特別所得税×(その年分の外国所得金額÷その年分の所得総額)
2パターンの繰越制度
外国税額控除には、前述した限度額計算の他に、外国所得税額または所得税の繰越限度額を基に計算した一定の金額をその年の所得税額から控除できる繰越制度が存在します。
外国所得税額が控除限度額を超える場合、該当年の前年以前3年内の各年の所得税額控除限度額のうち、その繰越控除額を限度として、超える部分の金額を該当年分の所得税の額から差し引くことができます。また、外国所得税額が控除限度額に満たない場合、前年以前3年内の各年において控除しきれなかった金額があるときは、その控除限度超過額の合計額を一定の範囲内で該当年分の所得税の額から差し引くことができます。
「引けなかった外国税額の額も繰り越すし、使わなかった限度額の枠も繰り越す」という制度になっています。
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確定申告で納め過ぎた税は還付されるが
所得税の申告手続きにおいて、例えば給与収入の年末調整で清算されていない各種控除を追加する場合に、還付申告をすることで所得税の還付を受けることができます。
この制度を悪用して、虚偽の内容を記した申告書を税務署に提出して、所得税の還付を不正に受ける事案が横行していると、ニュースサイトが報じています。
具体的な件数を国税庁が発表していて、それによると、不正還付申告として処理された件数は令和3事務年度で191件、追徴税額は本税で約1億6千万円、加算税は4,700万円に上っています。また、令和2事務年度と比べると、件数と追徴税額は増加傾向です。
仮装・隠蔽は追徴課税
報道によると、ある女性が代行業者から指南を受け業者が架空の源泉徴収税額を記載した還付申告書を提出し、4年間で300万円ほどの還付を請求。税務署が不審な点に気付いて還付はされず、調査の結果、仮装・隠蔽に当たるとして重加算税を含め約400万円を追徴課税されたとのことです。
給与の源泉徴収をした個人・会社は、税務署に法定調書(源泉徴収票)を提出していますから、ちょっと税務署が調べれば虚偽であると分かるものであり、「仮装・隠蔽」とも言えないような稚拙な手口です。
偽装した確定申告書を出した女性は、代行業者とは会うことなく、やりとりは無料通話アプリで行ったとのことです。最近社会を騒がせている、闇バイトの強盗事件に似た荒っぽさを連想します。
怪しい話には気をつけて!
税金まわりでよく言われるのは、「節税」と「脱税」の違いです。「節税」は優遇措置や有利選択等の制度を活用して、税金の額を減らすこと、「脱税」は仮装・隠蔽を行うことです。脱税にはペナルティーである加算税が課せられる他、詐欺罪など刑事上の責任追及が行われる可能性があります。
また、本人が脱税と思っていなかったとしても、今回の事例のようにそそのかされ、実際に申告書を出してしまえば、その本人も責めを負うことになります。源泉徴収の流れを知っていれば「すぐに不正が発覚するじゃないか」と思い当たるはず。税に携わる者としては残念でなりません。
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所得税は「申告納税制度」
所得税は、納税者が自ら税務署へ所得等の申告を行い、税額が確定して自らが納税します。これを「申告納税制度」と言います。対して行政機関の処分により税額を確定する方法を賦課課税制度と言います。地方税ではこの方法が一般的です。
実は国税でも、戦前は賦課課税制度が採用されていました。どんな方法だったのか、所得税の歴史と併せて見てみましょう。
創設初期の所得税
所得税の創設は明治20年(1887年)。創設当初は国税の収入の1%~2%程度にすぎませんでした。ちなみに令和2年度の税の内訳を見てみると、国税の収入の約30%が所得税です。当時の所得税は年間所得金額300円以上の人のみを対象としており、納税者の0.3%しかいなかったため「名誉税」と呼ばれることもあったようです。
個人所得にのみ課税されていた所得税ですが、民間企業の増加に伴い、明治32年(1899年)に所得税の大改正が行われ、法人所得にも課税されることになりました。また、所得税の事務を管轄する税務署(税務管理局)は明治29年に誕生しています。
所得調査委員会が所得を決定
明治20年から昭和22年までの個人所得税は、納税者が所得高を申告すると、税務署が標準率をもとに一律に推計した数値を基本として所得金額を算出し、その後「所得調査委員会」が地域や納税者の実情に応じて勘案、所得金額を決定するというプロセスでした。この方式は課税の公平感が少なく、委員会が納税者ごとの斟酌交渉の場となることもあり、批判もあったようです。
また、大正時代には会社企業の発達がめざましく、勤労所得者が増加したため勤労所得控除が採用されました。現在も名前が残っている扶養控除、生命保険料控除等も大正時代に導入されたものです。
昭和22年に申告納税制度が開始
戦後の昭和22年(1947年)、所得税及び法人税に申告納税制度が導入されました。当初の確定申告期限は1月末日、昭和26年の改正で2月末日に延長され、昭和27年分から、現在と同じ3月15日となりました。
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フジロックのチケットが返礼品に
個人のその年の所得・控除によって決まる控除上限金額以内の寄附であれば、自己負担が2,000円で返礼品が貰えるふるさと納税制度。今年はフジロックのチケットが返礼品として貰えるようになり、少し話題となりました。
返礼品の価値は寄附額の3割以下という総務省のルールがあるため、1日券で見てみると、通常購入料金が21,000円から23,000円となっているのに対し、寄附は8万円行う必要があります。
上限を超えた寄附でもお得なのか
例えば今年の所得や控除で計算したふるさと納税控除上限金額が7万円の方が、フジロックの一日券がどうしても欲しいと8万円寄附してチケットを入手したとして計算してみると、確定申告を行った場合、約9,500円が自己負担となります。本来7万円までの寄附にしておけば、自己負担は2,000円となりますが、8万円の寄附を行うと、上限を超えている部分については全く税額を控除されない訳ではなく「住民税をたくさん引いてくれるふるさと納税だけに許されている控除」部分が反映されなくなりますが、それ以外の部分で少しだけ税金を引いてくれます。よってトータルの負担は1万円余分に寄附をしても12,000円ではなく、約9,500円となります。
チケット代金は少なくとも21,000円ですから、差額の11,500円分はお得、ということになります。
基本的に上限以内の寄附の方がお得
7万円の寄附で食料品等の生活必需品を返礼品として貰った場合、すべて返礼品が寄附額の3割だとすると、21,000円相当のものが自己負担2,000円で貰えます。チケット代の21,000円をふるさと納税で節約した結果捻出できた、つまり2,000円でチケットが入手できたことになります。
今回のケースは「通常購入できるもの」「他に必要なものがあった場合」で考えたため、ふるさと納税で必需品を貰う方がお得感が出ましたが、「ふるさと納税限定のものが欲しい」「日用品は別段必要としていない」といった場合は、上限を多少超えて寄附をしても、お得感がある内容となります。上限を超える寄附を検討する際は、参考にしていただければと思います。
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土地・家屋・償却資産にかかる税
固定資産税は、その名の通り固定資産にかかる税です。日本には明治時代から地租(土地に対する税)や家屋税(住宅にかかる税)がありましたが、戦後1950年に、シャウプ勧告に基づく地方税制改正の一環として、地租や家屋税を統廃合し、原則市町村税として創設されました。
2020年度のデータですが、固定資産の納税義務者(法人・個人合計)は、土地が4,138万人、家屋が4,214万人、償却資産が472万人とのことです。市町村税に占める固定資産税の割合は約4割と、市町村の運営に欠かせない財源となっています。
固定資産の評価方法
土地や家屋についての固定資産税は登記をすると自動的に税額が計算され、納税通知書が送られてくるため申告不要です。償却資産については、申告が必要となります。
各固定資産の評価方法は
土地:宅地や農地等、地目別に売買実例価額等を基礎として、評価額を計算。宅地については公示価格等の7割を目途に評価額を計算
家屋:再建築価格(その時点で新築する場合に必要となる建築費)に経年減点補正率等を乗じて評価額を計算
償却資産:取得価額を基礎として、経年減価を考慮して評価額を計算
となっています。土地・家屋の評価については3年に1度見直しを行います。また、評価額は縦覧期間に確認ができ、疑問がある場合は再審査の申し出ができるようになっています。
評価額を基に課税標準額が決定されます。ただし、納税者の負担感に配慮し、評価額が急激に上昇した場合でも税負担をゆるやかに上昇させる負担調整措置が講じられています。
税の計算と特例
標準課税額が土地30万円未満、家屋20万円未満、償却資産150万円未満であれば課税されません。また、標準税率は1.4%です。標準課税額の決定や税額については政策的な特例措置があり、特に課税される対象が土地や家屋、建造物等の償却資産ということもあり、特例措置も様々です。
多様な特例があるため、その特例を延長するにあたり、税制改正大綱では長々とその情報が書き連ねてあります。令和5年度税制改正大綱には「固定資産」というワードが70回以上登場しています。
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時々見かける青色承認取消しの誤解
個人の青色申告は、所得税を正しく納税するために行う制度で、複式簿記の帳簿やそれに伴う書類を保存する必要がありますが、一定の水準を満たす場合は、最大65万円の所得控除を受けることができ、専従者給与や損失の繰越控除、減価償却の特例や貸倒引当金の計上が可能となります。
たびたび見かける誤認は「2事業年度連続で期限内(2月16日~3月15日)に申告しないと、青色申告の承認を取り消される」というものです。
2事業年度連続で期限後申告となった場合、青色申告の承認を取り消されるのは法人の場合のみで、個人についてはこの条件で取り消されることはありません。
税務署の対応について確認を行っている「事務運営指針」を確認しても、法人の青色申告の承認の取消しについては「無申告又は期限後申告の場合における青色申告の承認の取消し」という項目が確認できますが、個人の青色申告の承認の取消しについての事務運営指針には、その項目がありません。
個人の青色申告の承認が取り消されるのは、「帳簿書類を調査等で提示しない場合」「帳簿書類の備え付け等の税務署の指示に従わない場合」「仮装・隠ぺい等を行った場合」などです。
青色承認が取り消された場合
税務調査等で青色申告の承認の取消しが行われた場合、その原因となった年分のうち、最も古い年分以後については、承認が取り消されたものとして扱われます。また、青色申告の承認の取消しを受けた場合、通知後1年間再申請はできません。
青色承認は取り消されないが
個人の所得税の確定申告を、期限後に申告した場合は、青色申告特別控除の65万円(電子申告等の要件を満たさない場合は55万円控除)が受けられなくなります。これは65万円控除の要件に「期限内に申告する事」が入っているためです。なお、10万円控除の要件には期限内申告は含まれていませんので、期限後申告の場合でも10万円の青色申告特別控除は受けられます。
青色取消しにはなりませんが、無申告加算税や延滞税に加え、65万円控除不適用というペナルティーも課されてしまいますから、やはり期限内に申告するに越したことはありませんね。
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